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お金をかけず確実に英語環境を手に入れて会話力を伸ばす方法
2015/10/19 更新
海外で生活したからといって勝手に英語がペラペラになるわけではない
海外に住んだことがある人なら誰もが納得するこの事実。しかし世間的にはまだまだ一般的とは言えず、理解されない部分も多いと思います。
そもそも、ペラペラになることだけが英語学習の結果ではないものの、特に英会話が苦手な日本人の場合、単純に「英語力=会話力」と考えてしまいがちです。
そのため、披露する機会があるかどうかは別として、その会話力を伸ばすことができれば、“よっ! 帰国子女!!” と崇められ、尊敬の眼差しを浴びることができます。
ちなみに、TOEIC やその他英語検定のスコア、読み書きについては独学でしっかり勉強するなり、適切な学校に行くなどしてテクニックを学び効率よく勉強すれば、比較的短期間で希望の結果を出すことは可能ですが、日常会話 についてはなかなか思いどおりの結果を出せないのが現実です。
会話力が伸びない原因はただ一つ
海外に住んでも会話力が伸びない原因はただ一つ。“英語を話す時間が短すぎる” から。
会話では基礎的な文法やイディオム、語彙力の他、発音やイントネーションも重要となるため、何度も何度も繰り返し聞いて発言して慣れていくしかありません。
例えて言うなら “場面ごとの容器に会話の経験値が貯まっていくようなもの”。毎日新しい人に出会うという状況が何ヶ月も続けば“初対面”という容器にはたくさんの経験値が溜まり、自己紹介など、その時に使う会話に関しては柔軟に対応できるようになるでしょう。そしてそれら各容器にまんべんなく経験値が貯まってくれば自然と英語の環境へ入っていく自信にも繋がっていきます。
たとえ日本語であっても、初めての合コンやお見合いではどんな会話が飛び交うのか予想もできずうまく話が進まないものです。しかし何度か繰り返すことで、様々な話題に対する受け答えが自分自身の中で構築されていき、スムーズな言葉のキャッチボールができるようになるのと同じです。
また会話では相手の使う言葉や表現方法などを吸収しそのまま自分のモノにできるため、母国語でない場合は特に、相手がネイティブに近ければ近いほど、発音・イントネーションなど含む総合的な会話のスキルアップに繋がります。
英会話の経験値を貯める難しさ
しかし、実際海外に住んだからといって、また学校に通ったからといってこれらの経験値がたくさん貯まるとは限りません。
語学学校は基礎を学ぶには非常に効果的ですが、学校自体はフルタイムでも 3時~4時くらいには終わりますし、そもそも語学学校でできる友達はどうしても自分と同じくらいの英語レベルとなってしまいます。この場合、考える・話す練習にはなっても、“吸収できる量”はあまり期待できないため、放課後または卒業後の時間をどう有効に使うかが重要な鍵となります。
また、ワーキングホリデーは最長1年、就学、就労など何でもできる最強なビザですが、実際は英語をそれほど使わない仕事になってしまうのが現実です。
これは、斡旋料を支払って紹介してもらうインターンシップ(特に有給の場合)やリゾートバイトなども同様で、結局のところ各自の英語力やスキルに見合った仕事となってしまうため、あまり状況は変わりません。英語が勉強できる仕事に就きながら収入を得るのは、たとえ海外で生活したとしても簡単なことではないということです。
そこでよく聞く “ネイティブの彼氏・彼女を作る” という手段。
相手にもよりますが、一般的な日常会話に関してはかなり効果的です。しかし恋愛は逆に英語勉強を妨げる別の問題を招いてしまう可能性もあり、まさに両刃の剣とも言えるので注意が必要です。
恋愛以外にも、「Language Exchange」や「Meet up」などを利用してネイティブの友達を作ることも可能ですが、普通は仕事や学校など彼らの生活があり、一日中会話に付き合ってくれる人は中々いません・・・・。
探す段階から英語を使用しないと本当の英語環境は手に入らない
最低でも中学校で習った程度の基礎的な英語力があり、積極的にコミュニケーションを図ろうとする行動力を高めれば、たとえ日本人が多いと言われるバンクーバーに住みながらであっても完全な英語環境を作り英会話の経験値をたくさん貯めることが可能です。ただしそれには少なくとも生活の基盤作りとなる “部屋探し”、“仕事探し”、“友達探し” では英語のツールを使用するなど、探す段階から英語を使用しないと本当の英語環境を手に入れることはできません。
お金をかけずに簡単に確実に英語環境を手に入れる方法
「英語環境の生活基盤を一つづつ地道に作り上げる自信がない」「中途半端な英語環境ではなく完全な英語環境で生活したい」という人のために、ようやく本題となる “簡単に” そして “確実に” 英語環境を手に入れる方法。
それは “ファームステイ” を利用することです。
カナダは寒い国という印象が強く、ファームステイというイメージを持っていない人が多いのですが、実は夏だけに限らず1年中ファームステイができます。冬の時期はファームステイの募集が夏に比べてかなり減りますが、参加者も減るため逆に見つけやすいとも言えます。
ホストファミリーはほとんど現地の人で、さらにファームステイに参加している 3割以上はカナダ人。その他ドイツやフランスなどヨーロッパからの参加者が多く、特定のエリアや時期を除いて日本人と一緒になるケースはあまりありません。
ここで言うファームステイとは、あくまで自給自足目的や趣味で運営する農場に対して、労働力を提供する代わりに食事や部屋を提供してもらうというもので、金銭のやりとりは基本的に発生しません。
また、仕事内容としては、動物の世話や食物の栽培がメインで、労働時間は長くても平日1日5~6時間程度。参加者の性別やファームによっても異なりますが、それほど重労働でない場合の方が多く、女性の場合は家事手伝いや子供の世話などをお願いされることも多いようです。
そして何より嬉しいのは、参加するためにかかる費用は、必要に応じて利用する検索サイトの登録料(数十ドル)とそのファームステイ先までの交通費のみということ。
ファームステイでの英語使用量は期待以上
仕事中はホストから指示を聞いたり質問したり、他にも参加者がいれば一緒に仕事をこなします。また、仕事後はホストファミリーや同じファームステイ参加者と一緒に散歩に行ったり、食事を作ったり、映画を見たり、ゲームをしたりなど、周辺に娯楽施設がない分、人と人との交流がとても多くなります。
さらに、これらの生活を通して恋愛に結びつくことも少なくなく、中にはそこから結婚にまで至ったケースもあるほど。
滞在する農場や同時期の他の参加者によっても環境は異なりますが、少なくとも ファームステイでの英語使用量は、平均的なバンクーバーの生活とは比べ物にならないほど多い と言えます。
ファームステイを始めるには最低限の基礎は必要
ただし、だれでもかれでもファームステイに行けば良いとは言えません。
ファームステイを探す段階での英語での読み書き、そして仕事の指示を受けたり質問したりなど、中学生で習った程度の英文法とそれらを使った英会話など、最低限の基礎は必要です。
仮に文法も何もかもチンプンカンプンという状態で行けたとしても、YES/NO だけの会話が繰り広げられるだけで英会話習得にはほど遠いのが現実です。
ある程度英語が大丈夫そうな人は、ワーキングホリデーや観光で入国後、そのままファームステイに行き、少なくとも3ヶ月、可能ならビザの期間中ずっとファームステイをしても良いでしょう。
英語が超初級レベルで独学で勉強できないという人は、2~3ヶ月語学学校に行って基礎を復習してからファームステイの検索を進めると良いと思います。
通常1つのファームステイでは2週間や3週間など短期で提案されることが多いため、長期で滞在したい場合は滞在中に次の行き先を探しておく必要があります。延長を提案されたり、ファームステイ同士のコネで次のステイ先を紹介してくれる場合も多いようです。
“貯金”を選ぶか“勉強・経験”を選ぶか
ファームステイの良いところは何と言ってもワークビザがなくても参加できるというところ。ワーキングホリデーが利用できない人でも観光で入国し最長6ヶ月、足りなければさらに観光ビザを延長してファームステイを継続することも可能です。もちろん学生ビザで入国した人も同様です。
ワーキングホリデーの場合、その大半をファームステイに費やせば英会話力は格段に上がると思いますが、バンクーバーは日系のお店やレストランなどもたくさんあり英語をほとんど使わずにお金を貯めることが可能なため、英語に自信がなくてもそれに甘えてつい貯金を優先してしまいがちです。
しかしカナダに来る本当の目的が英語/英会話のレベルアップなら、たとえ短期間であっても日本語環境の仕事だけは避けた方が安全です。なぜなら就労時間は1日の大半を占める上、職場のスタッフは同僚以上の関係に発展することも多く、短時間、短期間であっても一度日本語の環境に足を踏み入れてしまうと、なかなか抜け出せなくなってしまうからです。
たった1日1時間でさえ1年で365時間 に達します。語学学校にフルタイムで3ヶ月通った場合の総時間数がおよそ300時間、中学校3年間の英語授業の総時間数がおよそ400時間ですから、就労に費やす時間がどれだけ大きく貴重なものか分かると思います。
逆を言えば、毎日1時間でも多く英語を使う環境に居ることができれば、それをしなかった場合と比べ、帰国時の英語力に格段の差が出るため、本来の目的を明確にした上で限られた貴重な時間を有効に使うと良いと思います。
今後、ファームステイの需要が増えればそれを有料で斡旋する学校や留学エージェントが増えてくるかもしれません。しかし 日本語での仲介を通せばその先に日本人が居る可能性は確実に高くなります。
検索自体は英語の基礎的な読み書きさえできればそれほど難しい作業ではなく、だんだん慣れてコツが掴めてきます。むしろこの工程は「ファームステイに参加する上で通るべき関門」とも言えるので、検索は他人に任せず必ず自分の力でやるようにしましょう。
そしてまた、誰かに相談したい場合は必ず経験者に聞くことが重要です。(無給の)ファームステイ未経験者からの「止めた方が良い」などのネガティヴなアドバイスは参考にならないので聞かないことをお勧めします。
ファームステイは、専用の Webサイトを利用して比較的簡単に探すことが可能です。
下記にいくつかのサイトを紹介しますので参考にしてください。
WWOOF Canada
http://www.wwoof.ca
カナダでのファームステイ検索専用サイト(定番)。初めての人はココから利用すれば間違いない。(会費:$60/2年)
Helpx
http://www.helpx.net
Workaway
http://www.workaway.info
労働力を提供する代わりに部屋と食事を提供してもらうという助け合い・文化交流専用の検索サイト。会員になるとカナダ国内外のファームステイをはじめ、ホテル、ホステル、B&B などの宿泊施設、ベビーシッター、店の手伝いなど、様々なタイプの情報検索が可能。(会費:約$30/2年)
WWOOF でファームステイ体験 (GoToVan サイト内)
http://gotovan.com/features/view.php?id=15
ファームステイ体験者からの情報を元に GoToVan で作成したファームステイガイド
その他、実際にファームステイを経験した方たちの下記体験談なども参考にしてください。
ファームステイ体験①「計画と準備」by Cチャン
http://gotovan.com/column/view.php?id=470
ファームステイ体験②「移動」 by Cチャン
http://gotovan.com/column/view.php?id=471
ファームステイ体験③「島生活」by Cチャン
http://gotovan.com/column/view.php?id=472
ファームステイ体験④「お仕事」by Cチャン
http://gotovan.com/column/view.php?id=473
ファームステイ体験⑤「ファームステイを検討している人に」by Cチャン
http://gotovan.com/column/view.php?id=474
ファームステイの決定~到着 by Tacha
http://gotovan.com/column/view.php?id=475
ファームステイの一日 by Tacha
http://gotovan.com/column/view.php?id=476
ファームステイの仕事(ガーデニング) by Tacha
http://gotovan.com/column/view.php?id=477