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バンクーバーで使えるeSIM対応の格安携帯電話キャリア「Fizz Mobile」徹底解説

バンクーバーで使えるeSIM対応の格安携帯電話キャリア「Fizz Mobile」徹底解説

2025/4/17 更新

目次


Fizz Mobile」は、ケベック州とオタワを中心にサービスを提供している大手携帯キャリア「Videotron(ビデオトロン)」の子会社で、2024年にBC州でのサービスを開始しました。

同じくVideotron傘下の「Freedom Mobile」は以前からBC州でサービスを提供しており、大容量データと手頃な料金プランを重視したモバイルキャリアとして知られています。一方で、Fizz Mobileは、Freedom Mobileと同じネットワークを利用しつつ、よりリーズナブルなプリペイド式サービスを中心に、利用者自身がプランを自由にカスタマイズできる柔軟性と独自の機能を特徴としています。また、Fizz Mobileはオンライン専用のサービスで実店舗を持たず、申し込みからサポートまで全てがオンライン上で完結します。これにより、運営コストを抑えつつ、お得な料金プランを実現している点も大きな魅力のひとつです。

Fizz Mobile によると、オンラインでの支払いにはカナダ国内で発行されたクレジットカードが必要とされており、日本のクレジットカードは使用できない可能性が高いため、カナダのクレジットカードを持っていない場合は、Wise などのプリペイド型クレジットカードを利用するか、カナダで銀行口座を開設し、発行される Visa/Mastercard デビットカードを使用する方法がおすすめです。支払い方法の最新情報については、下記公式ページを確認ください。

Which payment methods can I use?


僕は数年前から、Bellの子会社であるVirgin Plusを利用していますが、今回、お試しとして約10日間、同じiPhoneにeSIMでFizz Mobileを追加し、Fizzの回線を優先にして使用してみました。この記事では、その実際の使用感も含めてFizz Mobileの特徴を紹介します。

BC州で利用可能な主要携帯キャリア
キャリア名親会社サービス範囲(州)
Bell MobilityBell Mobilityカナダ全域
Virgin Plus
Lucky Mobile
Telus MobilityTelus Mobilityカナダ全域
Koodo Mobile
Public Mobile
Rogers WirelessRogers WirelessON, QC, NS, NB, MB, BC, PE, SK, AB, NL
Fido Mobile
Chatr Mobile
Freedom MobileVideotronQC, ON, BC, AB, MB
Fizz Mobile
他にも「7-Eleven Speak Out Wireless」「Fongo Wireless」「PC Mobile」など、一般的に知られたモバイル仮想ネットワーク事業者(MVNO)もありますが、上記の主要キャリアと比較して特に費用が安いわけでもなく、特別に便利な機能を提供しているわけでもないため、今回の比較対象からは除外しています。

 

サービス・エリア

Fizz Mobile は現時点、ケベック州、オンタリオ州、マニトバ州、アルバータ州、BC州でサービスを提供していて、サービス対象外の州では他社パートナー・ネットワークを利用することでサービスが利用できるようになっています。

利用可能エリア
fizz.ca/en/coverage

最近では多くの携帯キャリアで 5G/5G+を売りにしているところが多いですが、Fizz Mobile は現時点 5G はサポートしておらず、代わりに LTEの上位版「LTE-Advanced(4G+)」が利用可能です。

ちなみに、僕が利用している Virgin Plus でも大分前から 5G をサポートしていたものの、バンクーバー市内、郊外で一時的に圏外となることが稀にあり、iPhone 設定で 4G 固定にすることで改善された経験から、5G に対して魅力も信頼も未だにないため、個人的には、この部分は特にデメリットだとは感じませんでした。


料金プラン

Fizz Mobileは、利用者が自由にカスタマイズできる料金プランを提供しており、基本的にはプリペイド式の料金体系となっています。データ容量、通話・テキスト・留守電の有無、使用エリア(BC州、カナダ全域、北米全域)などの要素を自由に選択することができます。

Fizz Mobile のプラン
  • データ容量:
    0GB、1GB、3GB、5GB、40GB、60GB、80GB(時期やプロモーションによって選択可能なGBは異なる)
  • 通話:
    なし /カナダ国内通話無制限/カナダ・米国通話無制限
  • テキストメッセージ:
    なし/無制限
  • 留守電:
    なし/無制限
  • SIMカード:
    SIM($10)/ eSIM(無料)

最終的な料金は、選択するカスタマイズ内容によって異なりますが、一般的な大手携帯キャリアと比較しても非常にリーズナブルに設定されています。さらに、多くのキャリアでは一般的な「アクティベーション費用(activation fee)」や「接続手数料(connection fee)」などの初期費用は、Fizz Mobileでは一切かかりません。

値上げなし保証

そして最も嬉しいのは、Fizz Mobile では契約後のプランの値上げをしないと保証してくれていることです。多くの携帯キャリアでは定期的なプロモーションで一見お得に見えても、利用を開始してから数ヵ月後や1年後などに密かに数ドルの値上げをしてきます。実際僕も過去にいくつかのキャリアを利用して何度も経験しています。値上がり時にカスタマーサービスに電話するなどすれば調整してくれることも多いですが、担当者や時と場合により確実に防げるものではないため、値上がりしないというのはかなり大きなメリットなのです。ちなみに、姉妹会社である 「Freedom Mobile」も同様に値上げなし保証を謡っています。

 

Fizz Mobile の利用特典

Fizz Mobile では、他社が行っていない独自のサービスを提供していて、これらを活用することで結果的に毎月の料金をさらに安くすることができます。

データロールオーバー(Rollover)

Fizz Mobileでは、未使用のデータ容量を翌月、翌々月まで繰り越すことができるため、無駄なくデータを活用できます。例えば、20GBのプランを契約していて、3月に10GBしか使用しなかった場合、残りの10GBは5月末まで繰り越して使用可能です。この仕組みにより、通常より少ない容量のプランに変更することができ、月々の料金を節約することができます。

データ容量の贈与(Data Gifting)

Fizz Mobileの利用者同士で、未使用のデータ容量をギフトとして送ることができます。ロールオーバーされたデータはギフトとして送ることはできません。例えば、「今月あと少しデータ容量が必要」という時には、友達に頼んだり、Fizz Mobileの公式フォーラムに投稿して他の利用者から余ったデータ容量を送ってもらうことも可能です。

Rewardsプログラム(Rewards Program)

利用者がサービスを長く使い続けることで特典を得ることができます。毎月の料金支払い、データ容量の贈与、友達紹介、フォーラムへの投稿などを通じてポイントの獲得、特典を受けることができます。

紹介特典(Referral Bonus)

利用者が友人や知人を紹介することで、双方が特典を得られる「紹介プログラム」があります。​新規加入者が既存のFizz会員から紹介コードを使用してプランを契約すると、紹介者と新規加入者の双方に$25の紹介ボーナスが付与されます。紹介を続けることで、毎月の携帯代を大幅に節約することができます。

 

利用の大まかな流れ(SIM/eSIMの選択)

Fizz Mobileを利用するには、まず物理SIM(SIMカード)かデジタルSIM(eSIM)のどちらを使うかを選ぶ必要があります。なお、eSIMは全てのスマートフォンに対応しているわけではないため、現在使用している端末が対応しているかどうかを事前に確認してください。iPhoneの場合は、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR以降のモデルでeSIMが利用可能です。

eSIM(無料)の場合は、オンラインでの支払いが完了するとすぐにeSIMの登録を行うことができ、即座に利用を開始することができます。一方、物理SIMカードを利用する場合は、カナダ国内の指定住所にSIMカードを郵送してもらう($5)か、指定の店舗(BC州では「Circle K」)で購入($5)してから、オンラインでアクティベートする必要があります。eSIM対応機種を使っている場合は、無料ですぐに使えるeSIMの利用がおすすめです。

今回、僕は eSIMをiPhoneに追加して利用しましたが、支払いから利用開始まで10分もかからずに完了しました。手続きは全てスムーズで、音声通話やモバイルデータ通信もすぐに利用可能になりました。

日本からカナダに渡航する人が eSIMを利用する場合、到着した空港ですぐに手続きを済ませ、その場で利用を開始することも可能です。オンラインでの申し込み時に「サービス提供エリアかどうか」を確認するために住所の入力が求められますが、これは郵送先ではないため、滞在予定のホテルの住所や、Googleマップで検索した適当な住所でも問題ありません。

日本のクレジットカードは使用できない可能性が高いため、カナダのクレジットカードを持っていない場合は、Wise などのプリペイド型クレジットカードの利用を検討するとよいでしょう。

 

15日間トライアルについて

Fizz Mobileでは、15日間のトライアル期間が設けられており、この期間内であればキャンセルして全額返金を受けることができます。ただし、トライアルが適用されるにはいくつか条件がありますのでご注意ください。

トライアル期間(15日間)の適用条件
  • 期間:
    申込み開始日から15日以内であること
  • データ容量:
    申込みした月額プランに含まれるデータ容量の50%を超えていないこと
  • 回数制限:
    1アカウントにつき年間1回に限る

他の携帯キャリアからの番号移行を検討していて、Fizz Mobileへの乗り換え前に通信エリアや速度を確認したいなど、トライアル後にキャンセルすることを前提とした利用目的の場合は、月額データ容量の50%を超えないよう注意が必要です。そのため、最初はあらかじめ少し多めのデータ容量プランを選んでおくのがおすすめです。これにより、安心して通信環境をしっかりとテストすることができます。

また、トライアル期間終了後にオンラインでキャンセル手続きを行えば、手続きは即時に完了し、数分以内にクレジットカードへ返金されるため、キャンセルに関する手間も一切かかりません。

 

カナダ国外でのテキストメッセージ(SMS)受信

最近では、多くのオンラインサービスのサインインにおいて二段階認証が一般的になっており、中にはテキストメッセージの受信が必須となっているものも少なくありません。普段カナダで生活している分には特に支障はありませんが、例えば日本に一時帰国したときや他国を旅行中に、どうしてもサインインが必要になる場面も考えられます。

僕自身はそれほど頻繁に旅行をするタイプではありませんが、数年に一度の日本一時帰国の際などに、まれにそうした状況に直面することがあります。そんな“もしもの時”に備えて、携帯キャリアを選ぶ際は、カナダ国外でも最低限テキストメッセージが受信できることを、重要な条件の一つにしています。

カナダ国外でテキストメッセージを受信する方法としては、一般的に次の2つがあります。

国際ローミングを利用する方法

利用している携帯キャリアが提携している現地の通信会社のネットワークを通じて、海外でも通話・SMS・データ通信が利用できる仕組みです。通常、国内利用時よりも割高な追加料金が発生することが多いため、利用の際には注意が必要です。また、キャリア自体が国際ローミングに対応していても、プリペイドプランなど一部のプランでは利用できないケースもあります。

Wi-Fi calling を利用する方法

「Wi-Fi calling」は、Wi-Fiに接続さえしていれば、あたかもカナダ国内にいるかのように通話やテキストの送受信ができる機能です。追加料金がかからない点でも非常に便利です。ただし、利用している携帯電話の機種とキャリアの両方が Wi-Fi calling に対応していることが前提となります。

下記は2025年4月現在、BC州でサービスを提供している主要携帯キャリアのWi-Fi callingおよびローミング対応表です。これを見ると、Lucky MobileおよびPublic Mobileはどちらもカナダ国外でテキストメッセージを受信する手段がないことが分かります。一方、それ以外のキャリアについては、国際ローミングまたはWi-Fi callingのいずれかに対応しているため、カナダ国外にいてもテキストメッセージの受信が可能です。

BC州の主要携帯キャリア別「Wi-Fi calling」 & 「国際ローミング」対応表
キャリア名Wi-Fi calling国際ローミング
Bell Mobilityカナダ国内のみ対応
Virgin Plusカナダ国内のみ対応
Lucky Mobile未対応未対応
Telus Mobilityカナダ国内のみ対応
Koodo Mobileカナダ国内のみ対応
Public Mobile未対応未対応
Rogers Wireless全ヵ国で利用可対応
Fido Mobile全ヵ国で利用可対応
Chatr Mobile未対応対応
Freedom Mobile全ヵ国で利用可対応
Fizz Mobile未対応対応
上記全てのキャリにおいて、国際ローミングさえ使用可能であれば、ローミング中のテキストメッセージの受信に追加料金はかかりません

 

実際に利用してみた感想

今回のトライアル期間中、僕は主にダウンタウンを中心にバンクーバー市内・郊外を動き回っていましたが、接続に関しては、デュアルSIMとして使っていた Virgin Plus と比べても、それほど大きな差は感じませんでした。多くのコミュニティサイトで指摘されているとおり、Costco や Walmat などの大型店舗内、とくに奥の方では圏外になったり、電波が著しく弱くなったりすることがあり、それは実際に体感しました。しかし、ほとんどの場合、Virgin Plus も同様だったので「Fizz Mobile だけが極端に屋内に弱い」ということでもない気がします。

また、バンクーバー市内の一部では Fizz のネットワークが届かないエリアもありましたが、その場合はパートナーネットワーク(例:Rogers)に自動で切り替わり、通信は継続できました。結果として「圏外になる」という状況はほとんどありませんでした。

実は今回、トライアルの結果次第では Virgin Mobile から Fizz Mobile への移行も検討していました。しかし、ひとつだけ決断を踏み出せなかった理由があります。それは、Fizz Mobile のゲートウェイサーバーがケベック州にあるため、バンクーバーからのデータ通信が常にケベック州経由となり、また他のキャリアと比べて遅延(数値的に)がやや大きいという点です。体感的にはまったく気にならず、言われなければ気づかないレベルなのですが、個人的には唯一の懸念点でした。

最終的に僕は、この唯一の欠点(ゲートウェイ・遅延の問題)を補い、Fizz Mobile の長所も概ねカバーしている Freedom Mobile にキャリア変更しました。

とはいえ、

  • オンラインで簡単に申し込み・解約ができる点
  • 使いすぎによる追加料金の心配が一切ない点
  • 全ての変更手続きがオンラインで完結する点
  • データのロールオーバー機能で料金を極限まで抑えられる点

これらの点では、ワーホリ・留学生を含む一時滞在者はもちろん、「とにかく携帯代を安くしたい人」にとっては、Fizz Mobile は非常に優れた選択肢だと思います。

もし最終的に Fizz Mobile を利用したい人は、ネット上に紹介コード($25 クレジット)が多数掲載されているので、それを探してから申し込むことをおすすめします。一方、Freedom Mobile を検討する場合は、ぜひ僕の紹介コードをご利用ください。お互いに $25 のクレジットがもらえます!

$25 クレジット紹介コード: hidem-15


Fizz Mobile に少しでも興味がある人は、まずは気軽に15日間のトライアルを試してみるのがおすすめです。

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