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日本とバンクーバーで違うこと。何だか“今さらトピック”に聞こえるかもしれませんが、「日本とカナダ」じゃないことがポイントです。
カナダ国内だけで13の州/準州で構成されていて、各州によって法律や文化も、国籍や利用される言語の割合も異なるため、良く耳にする「日本とカナダの違い」では、各州(都市)共通の一般的な内容でしかなく不十分です。
なので今回は、カナダ共通の内容も含みますが、主に「日本とバンクーバーの違い」にフォーカスして紹介したいと思います。
電車やバスの車内で携帯電話の通話をしても良い
これはある意味日本が特別過ぎるくらい。一般的に
会話が良くて通話がダメなんていう状況は世間一般的にほとんどないのでは?というほど稀なルールです。初めて海外に来た人は意外と結構驚かれるので、是非知っておきましょう。バンクーバーのバス、電車、フェリー全ての車内で普通に会話、通話できますし、乗車時にマナーモードにする必要もありません。
あ、ちなみに、僕が初めて携帯電話を持ち始めた20数年前、要するに携帯電話が世の中に出回りだした時代、この頃は日本でも車内通話禁止なんてルールなかったんですよ。
エリアによって携帯電話の番号が異なり、異なるエリアへの通話は長距離通話となる
日本の携帯電話番号の最初の3ケタは、090/080/070 など、住む場所に関係なく割り振られますが、カナダでは最初の番号をエリアコードと呼び、都市によってその番号が異なります。バンクーバー付近の場合は 778/604/236 となります。たとえば GoToVan の電話番号は 604-568-8282です。
同じエリア内への発信は
市内通話(Local Calling)、異なるエリアの電話番号への発信は
長距離通話(Long Distance Calling)扱いとなり、利用するプランによっては、長距離通話の料金が課金されます。
異なるエリアでも同じエリアコードを使っている場合もあり、この場合はたとえ同じエリアコードでも長距離通話の扱いとなります。たとえばバンクーバー <->ウィスラー間の発信。どちらもエリアコードは同じですが、長距離通話の扱いとなります。各エリアの具体的な市/町の定義は利用するキャリアによっても少し異なります。
カナダの携帯電話は発信/受信共に料金が発生する
日本では発信のみ料金がかかり着信は無料というのが一般的です。
しかし、
カナダでは通常、発信、着信、どちらも同じ割合で料金が発生します。
ただし長距離通話においては、発信と着信で扱いが異なります。発信の場合は長距離扱いで、プランによっては長距離通話料金が適用されますが、着信の場合は全て市内通話扱いとなるため、国内、国外どこからかかってきても全て市内通話料金が適用されます。
利用するプランの中には、カナダ国内全域で発信無制限などもあり、この場合はどこに発信しても料金には影響しません。
ちなみに、データ通信に関しては、契約しているキャリアのネットワーク内であれば、カナダ国内どこで利用しても同じで、市内/市外、長距離、短距離という概念はありません。
アシア人が多い
特にバンクーバー近郊では中国系をはじめインド、イラン、フィリピン、韓国などの割合が比較的高く、アジア人が多いという印象を受けると思います。ただ、この中にはカナダで生まれたxxx系カナダ人(中国系カナダ人など)なども多く含まれるので、見た目はアジア人でも話す言語や中身はカナダ人と変わらなかったりします。
そのため、留学やワーホリでホームステイに滞在する場合、ホストファミリーは白人とは限らず、フィリピン系、韓国系なども多いのが現実で、移民したアジア人でもカナダのパスポートを保持していれば、カナダ人として扱われます。
学校にホームステイの手配を依頼する場合、「白人のファミリーが良い」というリクエストは、差別に当たるとして、受け付けないところがほとんどです。ま、実際は差別どうこう以前に、白人に限定してしまうと、選択肢が減ってしまい、ホームステイ先を見つけるのが困難になってしまう問題の方が大きい気がしますが・・・。
初めてのバンクーバーに来る人は、カナダ = 白人という印象は一旦忘れておくと、よりバンクーバーを受け入れやすくなると思います。
意外と寒くない
カナダは寒い国という印象がありますが、実はバンクーバーやビクトリアなどカナダ西部の一部の都市に関しては一年を通して気温が安定していて、山側を除き雪も滅多に降らず、日本の関東、関西エリアと同じくらいと言われるほどです。カナダグースの超分厚い防寒着などを持ってきても暑過ぎて着る機会はないかもしれません。ただ、
レインクーバー(Raincouver)と言われるだけあって雨が多いので水に強いジャケットが重宝します。
タバコが高い&灰皿が無い
日本に比べると喫煙者は肩身の狭い想いをします。
まず、
タバコが高い!日本と比べると2~3倍。喫煙者でなくても日本帰国時にカートン単位で購入してきて2倍以上で売ってる人もいるほど。節約型の人は専用のペーパー、フィルター、葉を買って手巻き煙草に挑戦することもできます。
そして、基本的に
屋内は全面禁煙。ナイトクラブやカジノですら屋外の喫煙所でないと喫煙できません。
また、屋外であっても建物の入口や吸気口、窓から6メートル以上離れないとならないなどのルールもあり、最初どこでタバコを吸ってよいのか迷う人も多いと思います。灰皿は一部の場所を除きそれほど多く設置されていないため、火だけ消して普通のごみ箱に捨てたり、ポイ捨ても結構多いように感じます。
僕は日本ではずっと喫煙者でしたが、高いということ、そして嫌がられることが多いなどの理由から、カナダに来た年にスパっと止めました。
屋外での飲酒は禁止
お花見だろうと花火大会だろうと
屋外/公共の場所での飲酒は厳禁です。
紙袋などに入れたり、タンブラーに入れ替えるなど工夫を凝らして飲んでいる人も多いですが、イベントなどの時は結構厳しく取り締まっていて、見つかって没収されている人も良く見かけます。罰金は$230ですが、チケットを渡されている人を見たことは僕はありません。
マリファナが合法
2018年10月より、カナダではマリファナ(大麻)が合法化されました。要するにマリファナとタバコが同じような扱いになったということです。
合法化された約2ヶ月後に「
大麻合法化による一般人への影響」という記事を書き、その中で、「
合法化されたものの、街中の雰囲気はほとんど変わっていない」と紹介しましたが、1年以上経つ今も正直変わっていないという印象です。
日本人のワーホリや留学生も、周りに勧められたり、興味がてら吸ってみたなどという人は以前よりは増えているように思えます。たとえ日本では違法でもカナダでは合法。カナダ人が日本に旅行に行って、屋外でお酒を飲むのと同様に、行った土地のルールに従うことは本来ごく普通のこと。マリファナに限らず、海外では合法、日本では違法、またはその逆のケースもたくさん存在します。日本の常識が世界の常識ではないことを知り、それを受け入れるのも海外に出て得られる大きな成果の一つなので、過剰に神経質にならずに、サッと見過ごせば良いでしょう。
ちなみに僕はマリファナは過去に何度か吸ったことはあるものの基本はやらない、医療用/嗜好用共に推進/反対どちら派でもありません。臭い的にはタバコの方が嫌い(昔喫煙者だったくせに)で、マリファナを近くで吸われるのは全く気にはなりません。
ゲイやレズビアンが多くオープン
バンクーバーは
GLBTフレンドリーな街として知られています。ダウンタウンのDavie Street は「
ゲイ・ストリート」と呼ばれることもあるほど、周辺のバーやレストランなどにGLBTのシンボル「レインボー フラッグ」が掲げられています。このストリートに限らず、同性同士で手をつないで歩いていたり、キスしている光景を見る機会も結構あり、最初は少し驚く人もいるかもしれませんが、しばらくすると自然に感じるようになります。
道路標識がどっちの道を示しているのか分からない
日本だと地域にもよるかもしれませんが、交差点にストリート名を示す標識のないところも多いですよね。
しかしバンクーバーは、ほぼ全ての交差点にそれぞれのストリート名を示す標識があり、必ずその
ストリートと平行に標識が設置されています(上の図参照)。これを逆だと思ってしまう人が過去に結構いたので紹介しておきます。これを間違って覚えると地図を見ながら道に迷うことになってしまいます。
物価が高い
バンクーバーはここ数年~十年ずっと値上がりが続いていて止まる気配が全くありません。
家賃、食費、交通費、光熱費、学費全てが値上がりしていて、カナダでも一番物価が高いなんて言われているほどです。
僕がバンクーバーに来た13年くらい前は、街中のピザ1切れ $1~$1.25 だったのに、今なんてその2倍以上!
日本でお昼を外で食べる場合、コンビニやお弁当屋などで 500円以下で済ませられたりしますが、バンクーバーで同じようなものを買おうとすると $10近くしてしまいます。
物価が高い + 選択肢が少ないことから、おそらくバンクーバーは全てが高いという印象を受けるのではないかと思います。ただ一応、物価上昇に伴い最低時給も上がっていて、現在 $13.85、来年$14.60に上がります。
チップが必要
日本からカナダに来てまず戸惑うのが「チップ」の必要性。カナダに限らず北米はチップ社会。
チップの具体的な額は自己判断で、サービスが良ければ多めに、そうでは無ければ少なめに、なんてよく言われますが、チップ社会で育った人でない日本人にとっては、必須じゃないなら最低限のチップで済ませたいと思う人も多いのではないでしょうか。僕は未だにそう思います。
実際の生活に関わってくるのは主に飲食店、タクシー、ホテルなど。そして中でも一番頻度が多いであろう飲食店。
飲食の中には、レストラン、ファストフード、フードコート、カフェなどのタイプがありますが、チップ必要の有無を切り分ける方法としては、後払いの場合はチップが必須、先払いの場合はチップ不要。この中ではレストランのみチップが必須と覚えておけば大体間違いありません。先払いの店でサービスの良し悪しを判断するのは困難ですからね。
レストランでのチップの相場は、文句を言われない最低ラインが 10%、できたら15%、さらに余裕があればそれ以上。と思っておけば良いと思います。ただ、15-20%が平均と言う人も多く、10%というのは平均的に見たら低い方なので、裏でケチだと思われる可能性はあります。
レストランでの税金は通常5%、最低限のチップを払ったとしても計15~20%。
$10の食事の場合$11.5-$12。$100だったら $115-$120 など、少し盛った額を想定しておくと良いでしょう。
ラーメン屋が多い
バンクーバーには、ダウンタウン付近だけでも15軒以上のいわゆる日本のラーメン屋があり、
ラーメン激戦区とも言われています。シアトルからわざわざ国境を越えバンクーバーに本格的なラーメンを食べにくる人もいるそうです。見たことはないですが・・・。実際、人気のラーメン屋では毎日長蛇の列ができているほど。
値段は $12-$15で、税金、チップが追加となるので、日本からの人はちょっと高い印象を受けるかもしれません。見た目は日本のラーメン屋でも、オーナーが韓国人、中国人などの場合もあります。
ラーメン屋はメニューもシンプルで、営業時間もそれほど夜遅くなく、それでいて、客の回転数も良いため、チップが期待できるということから、ワーホリで日系のレストランの仕事を探している人には良いかもしれません。
オンライン化が進んでいる
少なくとも一般人が生活で利用する部分においてのITは日本と比べると北米は格段に進んでいます。と言うより、日本が世界的に見て遅れているというのが現実です。
中でも、生活に直接的に関わるオンラインサービス。役所関連の手続き含め、オンラインでできることに雲泥の差があります。
僕が初めてカナダに来た時、カナダのオンラインサービスが整っていることに驚きましたが、それから10年以上経つ今、未だに日本は10年前のカナダにすら追いついていないように見えます。日本のITが北米より20年遅れているとよく言われますが、あながち否定できない状況です。
これに付随して一般人のコンピューターに関する知識、利用率もカナダの方が高いため、カナダに関わらず海外に出ると日本がITで遅れをとっている事実を目の当たりにすることになります。
以上、初めてバンクーバーに来て驚くことを一覧にしてみました。一部僕の偏見も少し含まれてしまっているかもしれませんが、これらを事前にしっかり知っておけば、到着後のビックリを減らすことができ、また、それらからくるストレスも軽減できるのではないかと思います。