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ルームシェア/シェアハウスで穏便に過ごすためのマナー講座。
2017/6/1 更新
不動産価格が高騰しているバンクーバーでは、若者の殆どが「ルームシェア」か「シェアハウス」に滞在するのが一般的です。特に日本人の若い方々は、資金が少ない、英語が不自由すぎる、滞在ステータス(ビザ)の都合など、何かしらの理由で 一人暮らしがしたくても なかなかできないのが現状と言えるでしょう。
(「住むところの探し方」はこちら)
http://gotovan.com/manual/view.php?id=13
昨今は日本でも他人と共同生活する方が増えているようですが、赤の他人と生活するのは想像以上に大変なものです。例え家族や恋人同士であっても、大人同士が共同生活するとなると モメる時はモメるもの。特にカナダのシェアハウスでは、日本人同士であっても、様々な地域から、様々な年齢の、様々な価値観を持った男女が集うのですから輪をかけて大変です。
更にワーホリや学生の場合、海外生活、シェアハウス入居、一人暮らしが初めての方が少なくないため、単純に「(今までお母さんがやってくれていたから)知らないこと」「(今まで一人暮らしだったから)指摘されずにきたこと」「(今まで家族や恋人が妥協して許してくれたから)できていないこと」も少なからずあることでしょう。マナー感覚や性格は全員が全員異なりますので、程度の差こそあれ、どちらの物件でも毎年何かしらのトラブルが報告されています。
シェアハウスは、シェアメイトとの相性の良し悪しに左右されると言っても過言ではありません。
どんなに綺麗な物件に入居したとしても、シェアメイトとの相性が悪いと 毎日の暮らしが辛くなります。
そこで今回は、特にこれからの渡航者がなるべく穏便に過ごせるよう、頻繁に起こるトラブルを一覧にしました。あなた一人が頑張った所で解決しない問題も多々ありますが、できる限りストレスのない共同生活を送るための参考になれば幸いです。
◎よくあるモメ事一覧
〜〜基本のキ〜〜
・“人様の持ち家で、人様の家具を使用し、赤の他人と生活する”という大前提を忘れずに。
「家賃&光熱費を払っているのだから何をしても良い」わけはありません。
あなたの自由空間ではないのです。
・ルームシェアやシェアハウスには「(昭和の日本的)お母さん」や「使用人」はおりません。
家事に労力を割きたくないのであれば、お金を稼いで一人暮らしの上、家事手伝いの方を雇いましょう。
・価値観の違いやミスは誰にでもあります。人を許容する気持ちがない方は他人と暮らせません。
・不機嫌な日は不機嫌を撒き散らさず、部屋にお籠り下さい。
・「気に入らなければ自分でやる/一人暮らしをする」が鉄則。
【キッチン編】
・お皿や調理器具。
公共のお皿は使用後すぐに洗って片付けましょう。どうしても洗う時間がなかった場合は、一度お部屋に持ち帰り、帰宅後に処理すると良いでしょう。洗い場に放置は頂けません。一方、調理器具はその場で洗って片付けなければ次の方が使えませんので、当然洗いましょう。時間がないのであれば、使用しなければ良いだけの話です。 また、食器洗いは洗い残しのないように気をつけましょう。「たまに洗い残しがある」程度であれば許容範囲内ですが、「あの子が使った後はいつも洗い残しだらけ」となると話は別です。洗い場の生ゴミは放置してはいけません。不衛生ですし、夏場は特に虫も来ます。ゴミはゴミ箱に捨てましょう。
・洗い場のトレイ。
トレイに乾いたお皿がある場合、片付けた上で濡れたお皿を置きましょう。共同生活では「誰かが片付けるだろう」「私が使ったものではないから片付けない」というのは通用しません。誰もがやらないと、堆く積み重なったまま放置され、衛生的にも宜しくありません。トレイは週に一度程度は洗わなければ、すぐにカビが生えます。
・ガス台、調理場。
使用後は油や水を綺麗に拭き取りましょう。バンクーバーのキッチンは多くは「電気」ですが、電気が通う部分は取り外しが可能です。汚したらすぐに取り外して拭いておくと汚れが溜まらず、大掃除をせずに済みます。
・炊飯器、トースター、レンジ。
炊飯器に炊いたお米を置きっぱなしにすると、次に使いたい方が使えません。炊けたら取り出し、お釜と蓋を洗うのを忘れずに。レンジは、中に何かこぼした、爆発させた場合はお皿も壁面もすぐに拭きましょう。汚れを拭かずに使い続けると、汚れが取れなくなります。トースターも同じく、使った後は中身を完全に取り出しましょう。経年劣化や積年の汚れは仕方ないにしても、取り残しはこびり付きます。トースターの下のトレイや網は水洗い可能なものが多いので、確認を。
・冷蔵庫。
許可なく他人のものを使わないこと。「これ位いいや」は通用しません。泥棒と同じです。また、定められた自分のスペースをはみ出さないようにしましょう。多忙、料理好き等の理由で 1週間分大量に買い込み、食料品をストックしたい方もいらっしゃるでしょうが、自由奔放に広いスペースを使いたいのであれば一人暮らしをしましょう。
・ゴミ箱。
匂いの強いものは洗ったり包んだりしないと異臭を放ち、虫が湧きます。夏場はもちろん、カナダは冬場もセントラルヒーティングによって室内が暖かいので、すぐに腐臭がしてきます。特に納豆パックや果物の皮は異臭を出しがちなので気を付けましょう。また、公共のゴミ箱はそれ程大きなものではありません。調理中に出たゴミを捨てるのは良いですが、お部屋に溜まった普通ゴミをキッチンの公共のゴミ箱に捨ててばかりは頂けません。自分のゴミは自分で捨てましょう。
【ダイニング編】
・テーブル。
使用後は台拭きで拭きましょう。未就学児童以外の食べこぼしは総じてみっともないだけでなく、ルームメイトに大変に迷惑です。汚い所で汚く暮らしたい方は、そもそも汚い物件を選ぶと良いでしょう。
【バスルーム編】
・髪の毛。
シャワー時や髪をといた時に床に落ちた髪の毛は、上がる時に拾って捨てましょう。ティッシュやトイレットペーパーで軽く拭き取るだけで十分に拾えます。また、髪の毛を排水溝に流しっぱなしにすると詰まります。面倒でも各自 使用する度に拾って捨てましょう。
・トイレ。
使用後は振り返って次の人が不快な思いをすることがないかどうか確認しましょう。
トイレの汚れは、それなりのお部屋ではもちろん、安く汚いシェアハウスであったとしても大きな問題となることの一つです。
・お化粧や髪の毛のブロウ。
混雑時の長時間使用はやめましょう。特に朝の長時間のシャワー、お化粧、ブロウなどは激怒される可能性が非常に高いことの一つです。ルームメイト全員のお出かけの時間を確認して調整する、お化粧やブロウは自室でするなど、平和に共同生活できるように工夫しましょう。
【ランドリールーム編】
バンクーバーの場合、一軒家やコンドでは室内にランドリーがある場合もありますが、アパートの場合は住人共同のランドリールームとなります。
・洗濯機乾燥機。
使用後はなるべく早めに取り込みましょう。入れ続けたままにしておくと、次の方が使えません。
他の住人と共同使用の場合、紛失(あなたの次に洗濯機を使用したい人が あなたの洗濯物を勝手に取り込む→靴下を取り込み忘れる→あなたの靴下と自分の洗濯物を一緒に回す→靴下紛失)、盗難等の被害もありますが、多くは終了しているのにすぐに取り込まなかったことに起因します。乾燥機の場合、次の人が途中で勝手に開けて取り出している場合も0ではないので要注意。
・乾燥機のダスト。
乾燥機のダストは溜まった時点で各自が除去すると良いでしょう。
住人共同のランドリールームの場合は、清掃の方が処理してくれているはずですが、そうでない場合は住人の誰かがやらなければすぐに埃が溜まります。
【玄関編】
カナダは日本の玄関と違い、“上り框方式”ではないので、どの物件も玄関は土足で入ることになります。よって、ドアの前で靴裏を軽く払う等の気を使わないと、即座に玄関及び室内が汚れます。バンクーバーは日本の都会よりも自然が多いため、靴裏が泥だらけ木屑だらけになりがちです。意識的に払いましょう。
【ルームメイトの私物の無断使用厳禁】
ルームメイトの私物は勝手に使ってはいけません。調味料、トイレットペーパー、シャンプー、コンディショナーなど、個人の所有物を許可なく使うのは窃盗と変わりません。やむにやまれず使ってしまった場合は「ごめんなさい」を忘れずに。また、家によってハウスルールは異なります。お友達が遊びに来た際などは、自分の家のルールを教えてあげましょう(「トイレットペーパーは個人購入だから、自分の棚にあるものを使ってね」など)。
【挨拶:「おはよう」「おかえり」「ありがとう」「ごめんなさい」】
挨拶は社会の基本です。家の中で誰かに会ったら、一言交わすと良いでしょう。誰とも喋りたくないのであれば、一人暮らしをするのが ご自分にとっても周囲にとっても平和です。挨拶ができない方、不機嫌を撒き散らす方はシェアハウスに向きません。
また、ルームメイトに何かをしてもらったら「ありがとう」、迷惑をかけたら「ごめんなさい」などは、人として当たり前に言いましょう。直接言えなかった場合、誰が親切にしてくれたか分からない場合等は「お皿を放置して忘れていました、片付けてくれた方ごめんなさい!」など、メモを置いておくなどすると円滑です。共同生活は持ちつ持たれつです。ルームメイトに多大な迷惑をかけた場合等は、可能な範囲でお返しするなり何なりすると平和でしょう。
●【騒音】
カナダの家の壁はとても薄いです。高級住宅であっても、日本に比べると圧倒的に薄いと言えます。
つまりドアの開閉や足音は、隣近所やルームメイトに筒抜けです。ドアはノブを回して静かに開閉し、歩く時は踵から足を落とさないようにすると良いでしょう。また、日本との国際電話を深夜にする場合などは注意が必要です。「電波が悪くて/楽しくて声が大きくなってしまう」等はありがちですが、大変に嫌われる要因となるので気を付けましょう。
特にワーホリや学生が集う家では、入居者それぞれの生活時間帯が異なります。
朝寝る方もいれば、夜起きている方もいます。騒音は大きな問題となるので気を付けましょう。
【インロック】
カナダの室内のドアは、内鍵がかかるものが多くあります。つまり「中から鍵をかけてドアを閉めると、施錠されている状態」となるため、鍵を持たずに外に出ると、締め出されてしまいます。
インロックをしてしまうと、鍵の管理をしている人(オーナー、マネージャー等)に問い合わせて開けてもらわなければなりませんが、一日中 家にいる方はそう多くはありません。つまりオーナーやマネージャーは仕事を中断して対応することもありますし、仕事中や旅行中で対応できないこともあります。締め出された時に携帯電話を持っていないと、連絡さえできないこともあります。
これはご自分にも、管理者にも、時にはルームメイトにも負担がかかるため、各自注意しましょう。業者の場合$100以上徴収することもありますが、それ位インロックは面倒なことと言えます。
【神様は神の国にお帰り下さい案件】
冒頭で書いた通り、あなたの住む家は他人様の家です。業者管理の家であっても、他人様の家であることに変わりはありません。
また、お客様は神様ではありません(そも、三波春夫も今まかり通っている解釈で この発言をしたわけではありません)。特に北米や欧州諸国では、一般的なお店であっても「客が店にお邪魔する」スタンスの地域が多くあります。お客様至上主義では全くありません。
しかし日本からお越しの方の中には「(レントとして)お金を払っているのだから何を言っても良い」「(部屋貸しで儲けているのだから)オーナーはどんな要求でも飲むべき」「(自分が我儘なだけなのに)うちのオーナーはおかしい」等とお思いの方も多くおられます。
下記にこれまでに見聞きした「とんでも案件」を列記しますので、参考にして下さい。
・大きな家具(ベッド、ソファ)の変更、撤去、破棄などの依頼。
「ソファに虫がいました、撤去して下さい」「ベッドが身体に合いません、変更して下さい」等の依頼をする方がおられます。たった数百ドルのレントしか支払っていないにも関わらず、他人様の持ち家の、他人様の家具を撤去・破棄し、あなたのお気に召すものを買い直して搬入するのをオーナーやマネージャーが無償でやるべきだとお考えのようですが、ベッドバグが出ただとか、スプリングが飛び出しているのでもない限り、貸す側にそのような義務はありません。大体の場合は家具もレント相応のものが搬入されていますので、どうしてもお嫌だという場合はお金を貯めて、一人暮らしをして、お好きな家具に囲まれて暮らして頂きたいものです。
※BC州では日本と違い(市町村によって異なりますが)、行政は粗大ゴミの処理を行いません。その為、いらなくなった家具はよく掲示板で売買されています。中にはまだまだ使用できる家具を安く出してくれているものもありますが、中にはただのゴミもあります。購入時にはご注意を。
※誰もが使う公共のもの(調理器具など)の破損による書い直し等は、受付可能物件も多くあります。
・契約書に反する行為をしたにも関わらず、逆ギレる。
「1month notice(退去1ヶ月前申請)のルールを1日やぶってしまったら、デポジットが返ってきません。1日遅れただけなのに、酷くないですかあ?!」「入居してすぐに、個人的理由で帰国せざるをえなくなりました。数日しか滞在していないのに、オーナーが家賃を返還してくれません。酷くないですかあ?!」等。
契約書は契約書です。お約束をやぶったのはあなたです。オーナー側が優しさでどうにかして下さることはあるでしょうが、あなたの違反により、かける必要のない手間をかけざるをえなくなります。
・自分もミスをするのに、他人のミスをあげつらう。
人は誰しもミスや間違いはあります。居住シェアハウスのルールやカナダの法律に著しく違反しない限り、ご自分の中にだけある正義感をルームメイトに押し付けるのはやめましょう。そういった神様はシェアハウス向きではありません。「(分別ゴミをきちんと分別していなかったので)捨てた人の部屋の前にゴミ箱から回収したゴミを置いておく」「(自分は騒音、インロック等で他人に迷惑をかけるのに)ルームメイトの掃除の仕方が気に入らないと苦情を出す」「(オーナー、マネージャーが感知しない所で)勝手なルールを作り、他人に押し付ける」など。ルームメイトからはシンプルに性格が悪いと思われますので、シェアハウスへの滞在はおやめ下さい。
他にも枚挙に遑がございませんが、参考になれば幸いです。