PNE-Summer Night Concerts:Leann Rimes

毎年夏の間に期間限定で開催される【The Fair at the PNE】。
日本の大型遊園地に慣れている日本人にとっては手作り感漂う作りに驚く事もありますが、”色々な意味で怖い”乗り物の他にも見所が満載で、毎年数多くの人々が訪れています。

さて、そんなThe Fair at the PNEで毎年開催されているのが【Summer Night Concerts】。

会場内のステージで開かれる無料のライブイベントです。
The Fair開催期間中は毎晩行われるもので、出演アーティストもなかなかに豪華。世界的に人気のある旬なアーティスト（＝スタジアムを埋められるレベルのアーティスト）の出演はありませんが、懐メロ系、新人、地元密着型アーティストがバランス良く日程を組まれています。何れもライブシアターやフェスで見るとなると高額になるアーティストばかりですが、PNEへの入場料だけで音楽業界の歴史を作ってきた大物や これから活躍するであろう新人を見られるとあって、音楽好きにはたまらないイベントです。

ということで今回はミシシッピからやってきた元天才少女Leann Rimesを見て参りました。
Leann Rimesと言えば僅か13歳にしてBill Mackの名曲「Blue」をカバーし「Tanya Tucker以来のカントリー界の若き新星」などともてはやされた早熟の天才。翌年には見事グラミー賞Best New Artist＆Best Female Country Vocal Performanceを受賞し、「最年少でのグラミー受賞」「カントリーのアーティストで初の新人賞受賞」という快挙を成し遂げました。更に翌年には、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったDiane Warrenの筆による「How Do I Live」をTrisha Yearwoodと競作。受賞は逃したもののグラミーのステージで堂々たるパフォーマンスを行い、喝采を浴びました。

しかし天才少女も年をとります。若くして威風堂々とした貫禄たっぷりのパフォーマンス/ビジュアルで世間をあっと言わせていた彼女も思春期を迎え、大人の階段を登ったのでしょう。アルバム「Twisted Angel」の頃になると脂肪を落とし、柔らかい顔の美しい女性に変貌を遂げたのですが、同時に、肩紐を下げまくり、上目遣いをしまくり、（当時カントリー界もロックやポップとの融合を試みていたとはいえ）やけにハードな音を好むようになり、ファン離れが加速しました。いわゆる迷走期に突入したのです。折角 青春映画「Coyote Ugly」の劇中歌によって日本の若者にも存在をアピールできたにも関わらず、方向性を見失ってしまったのです。

Before⇒After

そんなリアン、この数年はダブル不倫の挙句に不倫相手Eddie Cibrianと結婚したり、Eddieの元妻を挑発したり、遂にリアリティ番組に登場したり そこで子作り宣言をしたりと、すっかり”お騒がせ”なキャラが定着してしまっていますが…現ビッチキャラと言えど元は天才少女です。ステージは素晴らしいものでした。あのBlueを歌いこなした子ですから、当然と言えば当然のお話。

PNEのコンサートでは$20~25のリザーブシートがとれるのですが、リザーブ席を見渡すと年齢層は若干高め。どうやら「13歳のデビュー時から親のような目で見ている」ファンが多い様子です。いつもよりもお洒落なドレス（カーキのワンピースにアシンメトリのセーター）で現れたリアンは次々と往年のヒット曲を歌い上げていましたが、親しみ易いミシシッピガールっぷりは健在。殆ど1曲ごとに「セーター着ててごめんね、ちょっと寒くて」「次の曲はこんな曲でね…」等と観客に話しかけては会話を繰り広げ、写真を撮ろうとするファンがいればしゃがんでポーズをとり、ファンサービス全開。丁度この時はリアンの誕生日のある週だったため、会場からハッピーバースデイの合唱が起こり、パンダのような人形を貰って抱きしめていたのが可愛かった。あの素朴さは天然にして永遠なのでしょう。また、個人的には久しぶりにPurple Rainが聞けたのは嬉しかったです。カナダなのでJann ArdenのInsensitiveでもやるかと思いきやそちらは全くでした。

セットリストを無くしまして相当な適当レビューですが、入場料＄13でこれを楽しめれば充分です。アンコールを入れて1時間半の短いショウでしたが、夏の夜を満喫致しました。
http://www.pne.ca/thefair/live-shows/summer-night-concerts-seat-reservation.html