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Remembrance Day 2012

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Remembrance Day 2012

2012/11/13 更新

目次

フランダースの野にケシの花がそよぐ

幾重にも並ぶ十字架の間に

僕たちの場所と印された野に・・・


「ケシの花」とはポピーのこと。

この詩はカナダ人の軍医ジョーン・マクレーが著したものの一節で、第一次世界大戦で命を落とした戦友を埋葬した時に見た光景を詩に表現したものです。

第一次世界大戦での激戦地となったベルギーのフランドル地方。
土の中に長年眠っていたポピーの花の種は兵士たちによって踏み荒らされたことが刺激となったのか、終戦後沢山の赤い花びらをその地に開花させたといいます。
その地に咲き誇った真っ赤なポピーは戦場に流れた沢山の兵士の血も連想させたようです。

その赤いポピーは今ではRemembrance day(11月11日)の象徴となり、11月に入ると街中でこのブローチを着けた人の姿を目にします。
Remembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square Park

1918年11月11日午前11時、第一次世界大戦が終結しました。
カナダは当時イギリス連合軍の一員としてこの戦争に参戦。約6万人ものカナダ兵が命を落としました。その6万人の中には日系カナダ人も含まれています。

あれから94年経った11月11日の11時(バンクーバー時間)にここバンクーバーでも至る所で人々は黙祷しました。
Remembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square Park

前日の小春日和が一転、小雨が降り一段と冷え込む中、市内各地では朝から式典が行われ沢山の人々が集まりました。

Remembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square ParkRemembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square Park

Remembrance dayとは主に第一次世界大戦以降のイギリス連合軍が参戦した全ての戦争で命を落とした方々を追悼する日です。

式典後のパレードはカナダの歴史を物語っていました。
現役の海軍、陸軍、空軍の方、士官学校の方、警察間に消防士そして元軍人の方々が参加。
スコットランドやアイルランド、中国、韓国、インドなど様々な国の正装の参列者がそれぞれの国の国旗を掲げて通り過ぎて行きました。
カナダが沢山の移民で成り立っているということ、多くの国の人々が戦争で犠牲になったという事実を象徴していました。

Remembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square ParkRemembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square Park
Remembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square ParkRemembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square Park

また杖で震える体を支えながら笑顔で歩く元軍人の方々を見て時の流れを実感しました。この寒さに長時間の式典、ご高齢の方には厳しい環境ではありますが命を懸けて共に戦った戦友を追悼したかったのでしょう。
Remembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square ParkRemembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square ParkRemembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square Park
死がいつもそこに迫っている、二度と故郷に戻れないかもしれない、毎日大切な仲間が失われていく、悲しくても苦しくてもその心は癒されることなく再び戦場に向かいまた今日も血が流れていく・・・。

戦争のない環境に育った私にはいくら想像しても当時の彼らの心情を察することは出来てもその深さを知ることは出来ません。

一人亡くなればまた一人と戦力として次々と戦場に追加されていった兵士たち一人一人がとても尊い命であったということを忘れずに今を大切に生きていこうと考えさせられた一日でした。

Remembrance Day Ceremony 2012 @ Victory Square Park

☆参考リンク
IN FLANDERS FIELDS~フランダースの野に~(カナダ人物列伝より)
http://bluejays.web.fc2.com/flanders.htm 

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