カナダ・アメリカ間の国境越えが減少、渡航を控える動き続く

この記事では、ブリティッシュコロンビア州とワシントン州の国境を越える旅行者数が連続して減少している状況と、その背景にある社会的な要因、さらに地域経済や実際の影響について詳しく解説します。バンクーバーや周辺に滞在している方、旅行や留学を計画している方でも分かりやすく、最近の国境事情や関連する経済の変化を知ることができます。

カナダ・アメリカ間国境越え、9か月連続で減少中

ここ9か月間、カナダとアメリカ間の陸路の国境越えが連続して減少しています。ブリティッシュコロンビア（B.C.）州の住民にとって、週末にワシントン州へショッピングや食事、シアトルへの小旅行に出かけるのは、日常的なレジャーのひとつでした。特にバンクーバー在住者であれば、クルマですぐ国境を越えてアメリカ独自のグルメやお得な買い物を楽しんでいた方も多いと思います。

しかし最近は、国境をまたぐことに対する不安や、政治的な緊張の高まりから、アメリカへの渡航を控える人が増えています。この傾向はニュースなどでも頻繁に話題となっています。

B.C.州政府も渡航自粛を推奨、「カナダを選んで」

B.C.州運輸省とワシントン州運輸省の発表によると、2025年10月のカナダ・アメリカ間の陸路国境4か所（Peace Arch、Pacific Highway、Lynden、Sumas）において、前年同月比で37%も通過台数が減少しました。2025年7月には、B.C.州からワシントン州への国境越えが計118,000回にとどまり、前年よりも約88,686台も減っていることが分かっています。

この動きの背景には、2025年2月以降のアメリカ側での関税（Customs Duties）の話や、一部政治家による発言が影響しています。例えば、アメリカ大統領Donald Trump氏によるカナダ産品への追加関税の発言や、領土併合を示唆する脅しの影響です。また、当時の首相Justin Trudeau氏も「カナダを選んでほしい」と、B.C.州の州首相David Eby氏も「もし旅行の選択肢があるならアメリカは避けてほしい」と発表し、国や州としてもアメリカ渡航を控える動きが広がっています。

カナダ人観光客減少の影響と現地ビジネスの苦悩

カナダからの国境越え減少は、アメリカ側の自治体やビジネスにも影響を与えています。特にBlaineやBellinghamなどの町は、B.C.州からの観光客やショッピング客が経済に占める割合が高く、来訪者が減って困っているとの報告がされています。

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アメリカ側の一部の店舗やホテルでは、カナダ人観光客を呼び戻すために特別なキャンペーンや割引を実施しているケースもあります。それでも現状では、国境を越える人の数は低水準が続いています。

国境越え減少と今後の動き

今後も旅行者の動向や両国政府の対応次第で、国境事情は変化する可能性があります。カナダに住んでいる方や、これからバンクーバー滞在を考えている方は、最新の情報をこまめにチェックし、必要な場合は各国の公式発表や現地ニュースサイトも確認しましょう。

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