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キャンピングカーを超安く借りることができる「Relocation(片道) Rental」とは?良い点・悪い点と利用する上での豆知識

キャンピングカーを超安く借りることができる「Relocation(片道) Rental」とは?良い点・悪い点と利用する上での豆知識

2023/11/8 更新

目次


キャンピングカー(通称 RV:Recreational Vehicle)を借りてカナダを旅行してみたい!!」そんな想いを抱きつつ、実現できずにいる人は実は多いのではないでしょうか。

僕もその1人で、「カナダに来てから一度は・・・」と想いつつ、なぜか実現することができませんでした。
レンタカーを借りて旅行する程度ならカナダに来たばかりの時代ですら何度かやっているのにも関わらず、キャンピングカーとなると一気に敷居が高そうな感覚になってしまうのです。

その主な理由としては、「走行距離で料金が課金されるため割高になる印象」「車体が大きいため運転が不安」「設備の操作が不安」「どこで宿泊すれば良いか分からない」などが挙げらると思います。そして中でも最も重要なのは料金。

通常、キャンピングカーのレンタル料金は「車体の価格 x レンタル日数」に加え、「走行距離」「保険」「サービス」「器具レンタル」など必要に応じて追加することで合計の金額が計算される仕組みです。一見安く見えても、それは実は車体の料金だけで、全ての費用が合算されると車体の料金の2倍以上になることもあります。

例えば、今回僕が利用した Canadream というレンタル会社で普通に借りた場合、オフシーズンでもある10月の料金でおよそ下記の金額になります。夏の場合は下記の金額の2倍近く上昇します。

Deluxe Van Camper(最大2名用)10月 - 5泊6日
内容金額
車体(走行距離 700km 込み)$875
追加走行距離(700km → 1120km)$161
税金$130
合計$1,228


この $1,228 が、今回紹介する「Relocation Rental」を利用すると、ほぼ同じ条件で $227 またはそれ以下になります。

この他、ガソリン代はもちろんのこと、追加の保険やサービス、レンタル器具などがあれば課金となります。


Relocation Rental とは?

Relocation Rental とは簡単に言えば、レンタル会社の支店間の車両の移動を手伝う代わりに安くレンタルできるという仕組みです。

各都市に支店を構えるような大手のレンタル会社では、オフシーズン中、バンクーバーなど土地代が高い都市から、田舎の都市に車両を移動したいなど様々な理由で、各支店の車両数のバランス調整を行っています。レンタル料を大幅に安くしたとしても、移動にかかる費用を節約できるわけですから、レンタル会社にとってもメリットが大きいわけです。

そのため、この「Relocation Rental」は必然的に、片道のレンタルが絶対条件となり、行きもしくは帰りどちらかは飛行機や通常のレンタカーなど別の手段を使用することが必須となります。

片道による割引は各RVレンタル会社側の都合に合わせた時期、出発地、目的地のみが対象で、通常のレンタルで片道を選択した場合は、逆に“片道追加料金”が別途課金されるため通常よりも高額になります。


Relocation Rental のメリット&デメリット

Relocation Rentalでは、車体のレンタル料金が安くなるのはもちろんのこと、目的地までの走行距離が最初から含まれるため、割高な走行距離の追加が不要、または追加したとしても少しで済むため、結果的に合計金額が大分安くなります。

ここまで聞くと一見パーフェクトなサービスですが、欠点要素がないわけではありません。いくつか例を挙げるなら、目的地が限定される片道のレンタルのみ夏の繁忙時期には利用できないなどです。

既に確定している旅程に合わせようとすると、これらは致命的な要素となってしまうかもしれませんが、そうでないなら、これらの欠点は考え方によっては逆に、通常のレンタルで欠点となる部分を解消しメリットに変える側面を持っています。そしてそれらを理解することで Relocation Rental の魅力はさらに高まります。


目的地が限定される欠点をポジティブに考察

目的地は当然利用するレンタル会社の支店になります。バンクーバー以外ではたとえば、エドモントン、カルガリー、ハリファックス、トロント、モントリオールなどの主要都市。仮にウィスラーなどバンクーバー近辺への旅行を検討する場合、バンクーバーからウィスラーを経由してエドモントンまで行くなど、目的地に合わせて旅行計画を立てる必要があります。

しかし目的地重視ではなくキャンピングカーでの移動や宿泊を楽しむことが最優先の旅行であれば、目的地が限定されることは必ずしもデメリットになるとは限りません。なぜなら、目的地が決まるということは、それに合わせて経由するルートや宿泊場所が絞られ旅行計画が立てやすくなるわけで、今回の僕がそうだったように、キャンピングカーでの旅行が初めてという人に対しては念願の旅行を実現する手助けにもなるのです。


片道レンタルのみという欠点をポジティブに考察

通常、RVレンタルはホテルのチェックイン、チェックアウトと同様、ピックアップは午後、返却は朝(10:00amなど)としているところが多いため、たとえば、バンフやジャスパーなどの中~長距離旅行の場合、最終日の朝に間に合うように夜中に寝ずに走り続けない限り、通常は前日にはバンクーバー周辺に戻ってきて宿泊しないとならなくなりますが、バンクーバー周辺だとキャンプ場の数も少なく、時期によっては混んでるところも多いため、選択肢が限られてしまい、最終日の貴重な夜を無駄にした気持ちになります。

また、バンクーバー近郊のRVレンタル会社はデルタ市などの郊外が多いため、バンクーバー市内に住んでいる場合、車のレンタル、返却のための移動だけでも結構大変です。しかし片道レンタルの場合、行き、もしくは帰りどちらかの移動は必然的に飛行機または通常のレンタカー(場所によっては列車も可)となるため、特にバンクーバー市内に住んでいる人にとっては楽チンになります。

さらに片道の場合、運転の労力を軽減できる上、走行距離も節約できるため、その分行ける範囲が広がるなどのメリットも出てきます。


真夏に利用できない欠点をポジティブに考察

キャンプと言えば夏ですが、今回僕が行ったロッキーマウンテン周辺はカナダの代表的な人気観光地でもあり、夏の時期は世界中から観光客が押し寄せるため、道は混み、駐車場は満車、ホテルやキャンプ場は予約で一杯、という状況になります。僕は過去に真夏に車で行って混雑状況を経験したので、二度と同じ時期には行かないと誓いました。

今回僕が行ったのは9月末から10月初旬の約1週間でしたが、毎日晴れで気温も暖かい上、キャンプ場や駐車場もそれほど混雑しておらず、予約も移動もとてもスムーズでした。

7月~9月初旬の真夏の時期を避けることには、それなりのメリットもあるわけです。


Relocation Rental の探し方

バンクーバーエリアで Relocation Rental を行っているのは、「CanaDream」と「Fraserway RV」「Karma Campervans」など。

利用可能時期や行先などの選択肢は、各社 Relocation Rental 専用のページで確認することが可能です。Relocation Rentalを行っていない時期はこれらのページに選択肢が表示されないため、定期的に更新をチェックしてください。


CanaDream

今回僕が利用したRVレンタル会社です。バンクーバー、カルガリー、エドモントン、トロント、ハリファックス、モントリオール、ホワイトホースなどカナダ国内の主要都市に支店があり、時期に応じて各都市間の格安片道レンタルを提供しています。僕の調べでは CanaDream の片道レンタルは最も安いと感じました。

Relocation Special Offer
https://www.canadream.com/special-offers/relocation-specials/

片道レンタルほど格安ではないものの、時期によって Winter Vacation DealsSeasonal Hot Deals などの割引もあるので要チェック!

Fraserway RV

カナダで最も大きなRVレンタル会社。バンクーバー、カルガリー、エドモントン、トロント、ハリファックス、ホワイトホースなどカナダ国内の主要都市に支店があり、時期に応じて各都市間の格安片道レンタルを提供しています。バンクーバーからデルタの支店までは無料の送迎バスがあるので便利。

One Way Specials
https://www.fraserway.com/rent/rental-specials/one-way-specials/

Karma Campervans

バンクーバーとカルガリーに支店があり、時期に応じて各都市間の片道レンタルを通常より安い料金で提供しています。リッチモンドに支店があるため、バンクーバー在住の人には移動が最も楽。
レンタルできる車両は Campervan と呼ばれるベッドとキッチンのみの小型タイプで、トイレやシャワーは付いていないのが特徴です。

One-Way Camper Rental
https://www.karmacampervans.com/one-way-campervan-rentals/

Imoova

各RVレンタル会社の Relocation Rental を検索できる専用プラットフォーム。カナダに限らず、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパに対応。ただしこちらの検索結果と各RVレンタル会社の内容、料金が同じとは限らないため、各レンタル会社のWebサイトと並行してチェックすると良いでしょう。

Relocations - USA & Canada
https://www.imoova.com/en/relocations


片道の移動手段

片道レンタルを利用する場合、まず最初に検討するのは残る片道の移動手段。それによって準備するべき荷物や量が変わってきます。

たとえば今回の僕のようにバンクーバーからエドモントンまでの片道RVレンタルを利用した場合、エドモントンからバンクーバーへは飛行機、または一般的なレンタカーで戻ってくることになります。それぞれメリットとデメリットを紹介します。鉄道(VIA Rail)を利用する手もありますが、費用が最も割高で、膨大な時間がかかることから、移動手段としては相応しくないため検討から外して良いでしょう。


レンタカーを利用する場合

車から車に荷物を移動できるため、思う存分好きなものを持ち込めるというメリットがありますが、一般的なレンタカーの片道レンタルは、追加料金に加えガソリン代、さらに飛行機と比べて時間と労力がかかります。帰りに寄りたいところがある場合や必須荷物が多い場合は有効ですが、そうでない場合は検討から外しても良いかもしれません。


飛行機を利用する場合

一方、飛行機の場合は時期や出発時間によるものの、1~2名分であればレンタカーより安く済む場合が多く、サッと戻ってこれるため時間も労力も最小限で済みますが、その分荷物を最小限で抑えないとならない制約が付きます。

ちなみに今回僕の場合、大人2人 + トイプードル の計3名で、飛行機の料金は $270。これには追加スーツケース1つ分の料金も含まれます。レンタカーの場合はガソリン代も含めると $500以上はかかる計算だったので費用的には大分安く済みました。

また、多くのRVレンタル会社の支店は空港の近くにあるため、空港からの移動も簡単です。


荷物を最小限に抑えるテクニック

飛行機で移動すると決めた場合の一番の課題は「荷物」。この荷物を最小限に抑えることが重要なポイントとなります。RVレンタルでは、キッチン用具、寝具、キャンプ用品など、大抵のものはレンタルすることが可能ですが、当然ながら有料となり、しかも決して安いわけではありません。

今回僕の場合は、家にあった不要なキッチン用具や寝袋を持ち込み、最終日にドネーションBOXに寄付してきたため、費用面はもちろんのこと、持ち帰る荷物の量も最小限で済ませることができました。

しかし、もし不要なものが家にない場合は、予算に合わせた他の方法を検討する必要があります。

労力を最小限に抑えるなら

費用よりも労力を最小限に抑えたいなら、キャンピングカーと一緒に必要なものをレンタルするのが良いでしょう。ちなみにレンタル料金のイメージとして Canadream では、キッチンセット$100、寝具セット$75、キャンプ用椅子各$14、Nespressoコーヒーメーカー$45 などです。準備や撤去の労力が不要な分、価格も割高という印象です。

僕も最初はレンタルするつもりだったのですが、大抵のものが Walmartなどで新品で購入した方が安い価格設定だったので、レンタルは即却下としましたが、少しでも労力を抑えたいという人には最も効率的な選択です。

費用を最小限に抑えるなら

家に破棄予定のものがあるなら、可能な限りそれらを持ち込み、足りないものは $1ストア「Dollarama」などで購入し、最終日に破棄、または寄付、処分したくないものだけ持ち帰るのが最も費用を抑えられる方法です。

キッチン用品などの多くは DollaramaやDaisoで、寝具やキャンプ用椅子に関しては Walmartや Costcoで購入することができます。しかも、Walmartや Costcoで購入したものに間しては、なるべく奇麗に使用しておけば、目的地付近の別支店で返品するなんてことも可能で、この場合はさらに費用を抑えることが可能です。返品の数が多いと色々面倒なので、店頭での返品はあくまで数個までに抑えた方が確実です。そもそも返品することを前提にするなら、Amazon が最も簡単で確実です。Amazonは多くの商品が返品可能で、どこの都市からでも郵送返品できるので、出発前に返品郵送可能な状態まで準備しておき、最終日に目的地の配達業者(郵便局など)に持っていくだけです。

ちなみにキャンピングカーのプロパンヒーターは就寝中利用しても軽く1週間以上は持つので、それほど防寒に対応できる寝具は必要ないと思います。


実際にかかった費用

参考までに、今回の旅の概要とそれにかかった費用です。

旅の概要

  • 旅のルートは、Vancouver → Merritt → Jasper → Lake Louise → Banff → Calgary → Edmonton → Vancouver。
  • RVレンタル5泊6日(走行距離 2,000㎞、保険など含む)。
  • 5泊中、2日はWalmartの駐車場で宿泊し、3泊はキャンプ場で宿泊。
  • 出発前に準備した食材を持ち込み毎回自炊したため旅中の食費はほぼゼロ。
  • 最終日は夜のフライトだったため早朝にエドモントン空港でレンタカーを数時間借り、フライトまでエドモントン周辺を観光。

かかった費用

内容金額
RVレンタル(走行距離2,000km)$750
キャンプ場(3日分)$150
航空券(2人+トイプードル)$270
ガソリン代$411
通常のレンタカー(数時間)$128
ガソリン代$411
合計$1,709

バンフ、ジャスパーなどの国立公園に入場するには、「Discovery Pass」が必要で、パスは大人$72.25、家族$145.25(どちらも1年有効)と意外と高額ですが、Facebook の Marketplace などで半額以下で購入可能です。公式的には譲渡禁止となっていますが、チェックされることはほとんどありません。心配であれば裏の署名欄にサインのないものを購入すれば確実です。僕は今回 $50で購入し、旅から戻ってきた後に $55で売りました・・・。

 


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